一棟アパートなどの収益不動産を探していると、最初に目に入る数字が「利回り」です。
例えば、販売価格8,000万円、年間賃料収入640万円なら表面利回りは8%です。
しかし、利回りが高い物件=良い投資物件とは限りません。
収益不動産は、賃料収入だけでなく、空室、修繕、融資、土地・建物の価値、そして将来の売却まで考えて判断する必要があります。この記事では、一棟アパートを購入するときに「利回り以外」で確認しておきたいポイントをご紹介します。
そのエリアに賃貸需要があるか
最初に確認したいのが賃貸需要です。
現在満室だからといって、将来も同じ状態が続くとは限りません。
例えば、
- 最寄り駅からの距離
- 通勤・通学の利便性
- 周辺企業や大学などの有無
- スーパーなど生活施設
- 周辺の賃貸物件の供給状況
- 人口・世帯数の動向
などを確認します。
さらに重要なのが、その物件の間取りと地域の賃貸需要が合っているかという点です。
単身者が多い地域とファミリー需要が中心の地域では、求められる間取りや設備が異なります。
現在の入居率だけではなく、退去が発生したときに次の入居者を確保できる物件なのかを考えることが重要です。
現在の賃料が適正か確認する
満室の一棟アパートでも、現在の賃料がそのまま将来も得られるとは限りません。
長期間入居している部屋では、現在募集した場合の賃料相場と契約賃料に差があることがあります。
購入前には、
- 現在の契約賃料
- 周辺の募集賃料
- 同じ間取り・築年数の賃料
- 入居時期
- 敷金・礼金などの募集条件
などを確認します。
退去後に賃料を下げなければ次の入居者が決まらない場合、購入時に想定していた収益が得られなくなる可能性があります。
現在の家賃収入だけでなく、入れ替わり後の賃料まで想定することが重要です。
土地の価値を確認する
一棟アパートを購入するときには、建物だけでなく土地にも注目します。
土地については、
- 土地面積
- 接道状況
- 土地の形状
- 用途地域
- 建ぺい率・容積率
- 周辺の土地取引相場
などを確認します。
特に築年数が経過した物件では、将来的に建物の価値が低下していくため、土地の価値が出口戦略に大きく影響します。
例えば、建物を解体して土地として売却できるのか、再建築した場合にどの程度の建物が建てられるのかという視点も重要です。
収益価格だけではなく、土地としての価値も把握しておくことが、長期的な投資リスクを考えるうえで重要になります。
建物の状態と今後の修繕費を確認する
一棟アパートでは、建物の修繕費が収益に大きく影響します。
特に中古物件では、
- 屋根・屋上
- 外壁
- 防水
- 給排水設備
- 給湯器
- 共用部分
- 鉄部
- 消防設備
などの状態を確認します。
購入時点では大きな問題がなくても、購入後数年間で外壁塗装や防水工事などが必要になることがあります。
そのため、可能であれば過去の修繕履歴を確認し、今後いつ、どの程度の修繕費が必要になるのかを想定しておくことが重要です。
高利回りに見える物件でも、購入直後に多額の修繕費が発生すれば、実際の投資収益は大きく低下します。
表面利回りではなく実際の収支を見る
物件広告などに掲載されている利回りは、一般的に年間賃料収入を物件価格で割った「表面利回り」です。
しかし実際の賃貸経営では、
- 固定資産税・都市計画税
- 管理費
- 共用部分の電気・水道代
- 清掃費
- 火災保険料
- 修繕費
- 入居募集費用
- 空室による収入減少
などの費用が発生します。
そのため、投資判断では表面利回りだけではなく、これらの運営費を差し引いた収支を確認する必要があります。
さらに借入れを利用する場合は、ローン返済後にどの程度のキャッシュフローが残るのかも確認します。
「年間家賃がいくら入るか」ではなく、
「最終的にいくら手元に残るか」という視点が重要です。
入居率とレントロールの内容を確認する
一棟アパートを購入する際には、レントロール(賃貸状況一覧)を確認します。
単に満室・空室を見るだけではなく、
- 各部屋の賃料
- 入居時期
- 契約内容
- 敷金等の預り金
- 空室期間
- 法人契約の有無
なども確認します。
特に注意したいのが、売却前に短期間で入居者が増えているケースや、周辺相場と比較して賃料が高いケースです。
現在の賃料収入が将来も継続する可能性が高いかどうかを確認する必要があります。
融資条件を含めて投資判断する
収益不動産は、同じ物件でも融資条件によって投資結果が大きく変わります。
確認したい主な項目は、
- 借入金額
- 自己資金
- 金利
- 返済期間
- 毎月の返済額
などです。
例えば利回りが高い物件でも、融資期間が短ければ毎月の返済額が大きくなり、キャッシュフローがほとんど残らない場合があります。反対に、物件価格や利回りだけを見ると目立たない物件でも、融資条件との組み合わせによって安定した収支になることがあります。物件と融資を別々に考えるのではなく、「物件+融資+自己資金」で投資判断することが大切です。
購入時の諸費用も計算する
一棟アパートを購入する際には、物件価格以外にも費用がかかります。
例えば、
- 仲介手数料
- 登記費用
- 不動産取得税
- 印紙税
- 融資関連費用
- 火災・地震保険料
- 固定資産税等の精算金
などです。
さらに購入後すぐに修繕や設備交換を予定している場合には、その費用も自己資金として準備する必要があります。
「物件価格の頭金」だけで自己資金を計算せず、購入諸費用と購入後の運転資金まで含めて資金計画を立てることをおすすめします。
将来いくらで売却できるかを考える
収益不動産投資では、購入時から出口戦略を考えておくことが重要です。
将来の売却価格は、
- 築年数
- その時点の賃料収入
- 入居率
- 土地価格
- 金利環境
- 金融機関の融資姿勢
- 投資家が求める利回り
などによって変わります。
例えば現在8%の利回りで売買されている物件が、将来9%の利回りを求められる市場になれば、賃料収入が同じでも売却価格は下がります。
そのため、購入時の価格だけではなく、5年後・10年後にどのような状態で売却するのかまで想定しておくことが重要です。
「最悪の場合」を想定して購入する
収益不動産の購入では、良い条件だけで収支を計算しないことも大切です。
例えば、
- 空室が増えた場合
- 賃料が下落した場合
- 金利が上昇した場合
- 大規模修繕が発生した場合
- 想定した価格で売却できなかった場合
などを想定します。
それでも資金繰りに大きな問題が生じないか確認しておけば、投資の安全性を高めることができます。
収益不動産は「予定どおりにいくら儲かるか」だけでなく、予定どおりにならなかったときに耐えられるかという視点も重要です。
一棟アパートは「利回り」だけで判断しない
一棟アパートの購入では、利回りは重要な判断材料の一つです。
しかし、それだけで投資の良し悪しを判断することはできません。
賃貸需要 → 賃料 → 土地価値 → 建物・修繕 → 実際の収支 → 融資 → 出口戦略
まで総合的に確認することが重要です。
特に中古の一棟アパートでは、現在の収益だけでなく、建物が古くなったときにどのような選択肢が残るのかまで考えて購入することをおすすめします。
一棟アパート・収益不動産の購入相談は株式会社キューブへ
株式会社キューブでは、一棟アパート・一棟マンションなどの収益不動産について、物件のご紹介だけでなく、購入前の投資判断についてもご相談いただけます。
「この価格で購入して問題ないか」
「利回りは高いが建物が古くて心配」
「融資を利用した場合にキャッシュフローが残るか確認したい」
「10年後の売却まで考えて購入を検討したい」
といったご相談にも対応しています。
収益不動産は、購入価格や表面利回りだけではなく、収支・融資・資産価値・出口戦略まで含めて判断することが大切です。
一棟アパート・一棟マンションなどの購入をご検討の方は、お気軽に株式会社キューブへご相談ください。



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