貸倉庫や貸工場を探す場合、賃料や広さ、所在地だけで物件を決めることはおすすめできません。
事業用不動産は一般的な住宅と異なり、
「その建物で予定している事業ができるか」
「車両や設備を問題なく使用できるか」
など、事業内容に合わせた確認が必要です。
条件に合わない物件を契約してしまうと、移転後に「大型車が入れない」「必要な設備を設置できない」「予定していた用途で使用できない」といった問題が発生する可能性があります。
この記事では、貸倉庫・貸工場を探す際に確認しておきたいポイントをご紹介します。
まず「どのように使用するか」を明確にする
貸倉庫・貸工場探しでは、最初に物件の使用目的を整理することが重要です。
同じ100坪の建物でも、
- 商品や資材を保管する倉庫
- 製造や加工を行う工場
- 配送拠点
- 自動車関連事業
- 倉庫兼事務所
など、使用目的によって必要な条件は異なります。
不動産会社へ問い合わせる際には、単に「100坪くらいの倉庫を探しています」と伝えるだけではなく、どのような事業を行う予定なのかまで伝えると、条件に合った物件を探しやすくなります。
用途地域・建物用途を確認する
工場を探す場合に特に重要なのが、用途地域や建物の用途です。
土地や建物には都市計画法や建築基準法などによる制限があり、所在地によって建築・使用できる建物や事業内容が異なります。
例えば工場の場合、
- 製造するもの
- 使用する機械
- 作業内容
- 騒音や振動
- 危険物の取扱い
などによって、使用できる場所が限られることがあります。
「以前も工場として使われていたから大丈夫」と判断せず、自社が予定している事業内容で使用できるかを契約前に確認することが重要です。
大型車両が出入りできるか確認する
倉庫や工場では、建物そのものだけでなく道路条件も重要です。
特にトラックを使用する事業では、
- 前面道路の幅員
- 大型車の進入可否
- 道路から敷地への入りやすさ
- 敷地内での方向転換
- 搬入口の位置
- 荷物の積み下ろしスペース
などを確認する必要があります。
前面道路が広くても、物件までの途中に狭い道路や急なカーブがあれば、大型車が進入できない場合があります。
大型トラックを使用する場合は、物件の前だけでなく主要道路から物件までのルート全体を確認することをおすすめします。
駐車場・敷地の広さを確認する
倉庫・工場では、建物面積だけを見てしまいがちですが、実際の事業では敷地の使いやすさも重要です。
従業員用の駐車場が必要なのか、営業車両やトラックを何台駐車するのかを事前に整理しましょう。
確認したいポイントとしては、
- 従業員用駐車場の台数
- 営業車両の駐車スペース
- トラック待機スペース
- 荷物の積み下ろしスペース
- 屋外資材置場として使用できる部分
などがあります。
必要な場合は、駐車場を別途借りられるかについても確認しておきます。
天井高・柱・搬入口を確認する
倉庫では「床面積100坪」という数字だけでは、実際にどの程度の商品を保管できるか判断できません。
保管効率を考える場合には天井高が重要です。
また、
- 建物内部の柱の位置
- シャッターの幅・高さ
- 搬入口の数
- 床の状態
- 段差の有無
なども確認します。
フォークリフトを使用する場合には、倉庫内の通路幅や床の状態なども確認しておきましょう。
図面上の面積と実際の使いやすさは必ずしも同じではありません。
契約前には現地で確認することが重要です。
電力・設備を確認する
工場では、使用する機械や設備に必要な電力を確保できるかどうかが重要です。
特に製造機械や大型設備を使用する場合は、契約前に電気設備の状況を確認しておきましょう。
主な確認項目は、
- 三相200V(動力)の有無
- 現在の契約容量や受電設備
- キュービクル(高圧受電設備)の有無
- 給排水設備
- ガス設備
- 空調・換気設備
- クレーンなどの既存設備
などです。
既存の電気設備があっても、自社で使用する機械に必要な電力を確保できるとは限りません。また、電気容量を増やす場合には、設備工事や電力会社との協議が必要になることがあります。
工場内にクレーンや空調などの設備が残されている場合は、貸主の設備なのか、前の借主が残した「残置物」なのかについても確認が必要です。故障した場合の修理・交換費用の負担が異なることがあります。
使用予定の機械や必要な電力が決まっている場合は、契約前に電気工事会社などの専門業者にも確認することをおすすめします。
騒音・振動・臭気など周辺への影響を確認する
工場の場合には、周辺環境への影響についても検討する必要があります。
製造・加工内容によっては、
- 騒音
- 振動
- 臭気
- 粉じん
- 車両の出入り
などが発生する場合があります。
物件自体では作業が可能でも、周辺に住宅が多い場合には事業開始後に問題となる可能性があります。
工場を探す際には、建物だけでなく周辺がどのような環境なのかについても確認しておくことが大切です。
営業時間・使用時間の制限を確認する
物流や製造業では、早朝・深夜に作業する場合があります。
しかし、物件によっては賃貸借契約や周辺環境などの事情から、使用時間に制限が設けられていることがあります。
24時間稼働を予定している場合には、契約前に必ず確認しましょう。
また、休日の作業や大型車の早朝・夜間の出入りについても確認しておくと安心です。
賃料以外に必要な費用を確認する
事業用物件を借りる際には、毎月の賃料以外にも費用が発生する場合があります。
例えば、
- 共益費・管理費
- 駐車場代
- 保証金・敷金
- 礼金
- 仲介手数料
- 保証会社利用料
- 火災保険料
- 設備工事費
- 原状回復費用
などです。
倉庫・工場では、入居時に電気設備や内装、機械設備などの工事が必要になるケースもあります。
そのため、月額賃料だけではなく、入居時から退去時までに必要となる費用を含めて検討することが重要です。
原状回復・退去条件を確認する
事業用賃貸では、退去時の原状回復についても契約前に確認しておきましょう。
工場の場合、借主が機械設備や電気設備、配管などを設置することがあります。
退去するときに、
「どこまで撤去する必要があるのか」
「借主が設置した設備を残せるのか」
などによって退去費用が大きく変わります。
契約時には入居条件だけでなく、将来の退去条件まで確認することが大切です。
貸倉庫・貸工場は「現地確認」が重要です
インターネットの物件情報では、賃料・面積・所在地などの基本的な情報は確認できます。
しかし事業用物件の場合、それだけでは判断できない項目が多くあります。
貸倉庫・貸工場を検討するときには、
事業内容 → 立地 → 法令・用途 → 道路 → 建物 → 設備 → 契約条件
という視点で総合的に確認することをおすすめします。
特に大型車の進入や荷物の搬出入、設備の状況などは、実際に現地を確認しなければ分からないことがあります。
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事業用不動産は、面積や賃料だけでなく、事業内容に適した物件を選ぶことが重要です。
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