老後の資金や副業など、さまざまな目的で不動産投資を始める方が増えています。
しかし、自己資金のみで始めるのは難しく、不動産投資ローンを利用したい方も多いのではないでしょうか。ローンを組むには審査に通過しなければなりません。
そこで今回は、不動産投資ローンの審査内容や審査を通過するコツについて解説します。
不動産投資ローンとは?
不動産投資ローンは、不動産投資を行うためのローンです。
居住用以外の投資用物件を購入や建築などで利用できます。
「アパートローン」とも呼ばれています。
住宅ローンと異なり、目的や金利、融資額、審査内容などの違いがあります。
目的
不動産投資ローンは、第三者に貸して得た家賃収入(収益物件)で返済していきます。
自分が住むためにローンを組む場合は、住宅ローンを組むことになります。
金利
「固定金利」と「変動金利」があります。
金利は、都市銀行や地方銀行、信用金庫などによって異なります。
一般的には、1.5%〜 4.0%程度です。
融資額
不動産投資ローンは、年収や資産に加え、不動産投資による家賃収入も考慮されるので、一般的には年収の10倍〜 20倍程度です。
審査内容の違い
不動産投資ローンの審査は、住宅ローンよりも厳しい傾向にあります。
不動産投資ローンの審査内容
ここでは、不動産投資ローンの審査内容について解説します。
本人の信用情報、年収や勤務先、勤続年数、資産、借入金額などがあります。
年収は、借入希望額と比較する際、重要な判断材料となります。
公務員や会社員など、安定した収入を得ている人が有利です。
一般的には、年収700万円が一つの基準だとされています。
しかし、金融機関によっては、700万円以下でもローンを組める可能性もあります。
メガバンクであれば、特に厳しい基準を設けていることも少なくありません。
勤務先
公務員や大企業などに勤めている場合は、信用度が高いと評価される傾向にあります。
中堅の企業であっても有名な会社であれば、有利になる可能性も高いです。
中小企業や個人事業主の場合は、勤務先に加え、勤続年数、年収なども、審査基準となるでしょう。
また、雇用形態も重視される傾向にあります。
安定した職業に従事しているかどうかも重要な判断材料です。
パートやアルバイト、契約社員よりも正社員が有利になるでしょう。
勤続年数は、一般的に3年以上が有利だと言われています。
資産状況
土地や建物以外にも有価証券、貴金属、自動車、 美術品などの資産とみなされます。
資産が多ければ多いほど、ローンの返済能力が高いと判断されるため、審査には有利になります。
借入状況
不動産投資ローンでは、他の借入状況も審査内容となります。
借入先や借入額が多い場合は、ローンの返済能力が低いと判断される傾向にあります。
他社からの借り入れが少ない場合は、審査に有利でしょう。
年齢
不動産投資ローンを組む際は、年齢も重要な審査内容です。
返済期間が長くなればなるほど、年齢が若い方が有利です。
物件の収益性
物件の収益性も審査の重要な判断材料となります。
立地
駅から近く、通勤や通学に便利なエリアは、不動産の価値が高まり、下落しにくいです。
たとえば、急行や特急が停まるような大きな駅では、物件価値が高くなるでしょう。
生活の利便性
近くに学校や大型商業施設、医療機関、郵便局、市区町村役場など、利便性の高いエリアも物件価値が高まります。たとえば、スーパーやコンビニ、ドラッグストア、飲食店、ホームセンターなどがそろっていると、生活がしやすくなるので、物件価値が高まる要因にもなるでしょう。
築年数
立地や生活の利便性が良くても築年数古い物件であれば、物件価値が下がる可能性もあります。
構造についても同様です。不動産は、建物の構造ごとに法定耐用年数が定められています。
軽量鉄骨造19年、木造物22年、重量鉄骨34年、鉄筋コンクリート造47年です。
木造や軽量鉄骨造では、耐震性や耐火性、遮音性が期待できません。経年劣化により、物件価値も下がってしまいます。
一方、重量鉄骨造や鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造などは、木造や軽量鉄骨造と比べ、建物の質は高いです。
ただし、 1981(昭和56)年5月31日以前に建築確認申請が受理されている建物については、注意しなければなりません。新耐震基準に比べ、地震の被害が大きくなる可能性もあるため、物件価値のマイナス要因になることが否定できません。
災害リスク
前述したとおり、物件価値は建物の構造や質などによる影響を受けます。
また、災害のリスクが高い地域でも物件価値に影響を受ける可能性が高いです。
たとえば、軟弱地盤の場合は、豪雨や津波による被害を受けやすく、土石流や斜面崩壊等の土砂災害が想定されます。
自然災害の被害は「ハザードマップ」で予測することができます。
災害リスクがあるエリアでは「土砂災害警戒区域」に指定されているか確認することが大切です。
物件の損傷により、資産価値が大幅に下がる可能性もあります。
ただし、新耐震基準の物件や耐震補強工事が行われている場合は、物件価値が高まる場合もあります。
不動産投資ローンの審査を通過するコツ
ここでは、不動産投資ローンの審査を通過するコツについて解説します。
信用情報を高める
勤続年数を伸ばしたり、安定した収入が見込まれる会社に就職するなど、信用情報を高めることが大切です。また、他社からの借り入れが多い場合は、返済能力に問題があると判断されるケースもあります。
自己資金をしっかり準備する
自己資金のみで不動産投資を行うことは難しく、金融機関から融資を受ける方が多いでしょう。しかし、自己資金はある程度準備しておく必要があります。
目安としては、物件価格の15〜30%程度と言われています。
これよりも低い場合であれば、審査に通過できない可能性も否定できません。
また、自己資金を準備できる金額によって、返済能力の判断基準にもなります。
金融機関によって異なりますが、フルローンで借りる際は、審査が厳しくなるため注意が必要です。
収益性の高い物件を選ぶ
金融機関は、立地や築年数など、利回りや空室リスクを審査の判断材料になります。
そのため、投資物件については慎重に選ばなければなりません。
実際に足を運び、周辺環境や住宅設備などもしっかり確認する必要があります。
不動産会社から紹介を受ける
投資物件を扱う会社の中には、金融機関と提携している場合も多いです。不動産会社から紹介を受けると、融資を受けられやすくなる場合もあります。
なお、未成年の方は、ほとんどの金融機関でローンを組むことができなくなっています。
まとめ
不動産投資ローンは、住宅ローンと異なり、目的や金利、融資額、審査内容などの違いがあります。
審査は、住宅ローンより厳しくなっているのが一般的です。審査内容は、年収や勤務先、勤続年数、資産、借入金額などの信用情報や築年数・立地、利便性など、物件の収益性によって判断されます。
不動産投資ローンの審査に通過するには、信用情報を高め、自己資金をしっかり準備することが大切です。また、収益性の高い物件を選ぶことも重要になります。融資を受ける際は、不動産会社から紹介を受けると、スムーズに進めていくことが可能です。
不動産投資ローンの審査について不安がある場合、まずは不動産投資ローンに詳しい不動産会社に相談することをおすすめします。ただ物件の紹介だけで不動産投資ローンに詳しくない不動産会社も多いのでしっかり確認してください。
また不動産投資ローンについて詳しい情報やノウハウを知りたい方は当社でも対応しておりので
お気軽にご相談ください。