年金制度への不信、老後資金への不安、経済の先行きへの
不透明感などから、不動産投資を始める人が増えています。
とはいえ、はじめて不動産投資を始めようと考えている方には、いろいろわからないことが
多く、疑問、不安な点がたくさんあるのではないでしょうか。
この記事では、一口で不動産投資と言いますが、いろいろな投資方法があることをご説明します。
それぞれのメリットデメリットも合わせてご紹介しますので、あなたの条件にマッチした
不動産投資物件を選びましょう。
最適な不動産投資物件選びの参考にしてください。
ワンルームマンション投資について
ワンルーム投資とは、文字通り、ワンルームの投資です。
アパートやマンションのワンルームを取得し、貸し出します。
駅前や駅近など好立地なワンルームなら、たとえ面積が小さくても、高家賃が期待できます。
さらに、そのような場所の人口の流動性は高いので、比較的容易に、借主を見つけることができます。
何より、ワンルーム投資のポイントは、比較的少ない資金で始められることです。
不動産投資の初めの一歩としてワンルーム投資を始められる方が多いです。
ここでコツをつかんで次のステージに進んでいくこともできますし、
さらに何室ものワンルームを取得する方もおられます。
また、投資用のワンルームの場合は、清掃やメンテナンスなどを一括で管理会社が
行ってくれる場合が多く、不動産投資ビギナーさんでも、始めやすい不動産投資と言えるでしょう。
「まずは、ワンルーム投資から!」と考えてみてはいかがでしょう?
詳しくご説明します。
ワンルームマンション投資のメリット
• 初期投資が少なくて済む。これは、不動産投資を初めてする人には、ハードルが低い。
• ワンルームマンションの建物は、定期的なメンテナンスを行えば、資産価値の目減りが少なく、
長期にわたり貸し出すことができる。
• 鉄筋コンクリートであるため、担保価値が高く、全額融資を受けられることも多い。
• ワンルームが立地しているところは、駅近など好条件のため、競争力が高く、専有面積が少なくても、
比較的高家賃が期待できるし、借主を見つけやすい。
ワンルームマンション投資のデメリット
• 空室リスクがある。空き室になれば、当然家賃収入は得られない。
• リターンが少なく、短期間での回収は難しい。
• 定期的なメンテナンスなどの他、建物自体の修繕、建て替えなどは、
管理組合の総意で決められるので、あなただけの意見では決まらない。
一棟買い投資について
一棟買い投資は、別名アパート投資とも言われています。
これもまた、文字通り、アパート一棟をアパートが建っている土地も含めて取得して、貸し出します。
簡単に言いますが、アパート一棟+アパートが建っている土地まで
取得、購入するわけですから、かなり大きな金額を必要とします。
アパート全室が満室の場合は、大きな家賃収入になりますが、
空き室率が高ければ、当然家賃収入は少なくなります。
また、立地するエリア、建物の築年数などによって、家賃や入居率が大きく変わります。
変動要因が大きいことも考慮に入れておく必要があります。
ただ、短期的な視点でのキャッシュフローは良好だと言えますが、
長期的視野に立った場合のメリットデメリットでは、いろいろな点を考慮する必要があります。
いずれにせよ、高額投資ですので、もし不調に終わった時のリスク、
損害の大きさは頭に入れておきましょう。
一棟買い投資のメリット
• 部屋数がある程度あるので、全室満室なら、多くの家賃収入が得られる。
また、何室かが空き室であったとしても、全室空き室ということにはまずならないので、
無収入ということにはなりにくい。
• 建物が老朽化や火災等でなくなったとしても、土地があるため、資産がゼロになるリスクはない。
• リターンが大きく期待できるので、優れたキャッシュフローが期待できる。
• アパートの中でも、木造アパートの場合は、減価償却期間は22年と短いため、節税効果が期待できる。
一棟買い投資のデメリット
• 購入資金が多く必要。
• 木造アパートの場合、耐用年数が30~40年のため、大規模リフォームや建て替えなどが必要。
• 木造アパートの場合、減価償却期間が短いため、節税できる期間が短い。
アパート投資の場合、新築or中古、どちらを選択するのがよいのか?
新築、中古それぞれにメリットデメリットがあります。投資者の事情などを考慮して選択しましょう。
新築アパートの場合
購入価格は高くなりますが、評価額が高いため、担保力も大きく、物件の90~100%の融資が期待できます。
管理費、および修繕積立金も最初から計画的に準備できるので、将来の出費に備えることができます。
また、減価償却など経費として計上できるので、節税効果が高いです。
取得費用は高いですが、ハイリターンが期待できます。
一棟全体が自分の所有になるため修繕や建て替えなどを、自分だけの意思で決定できます。
中古アパートの場合
購入価格が低めですが、リフォームなどに費用が掛かります。
しかし、オーナーのこだわりに合わせてリフォーム等ができるのは、魅力です。
ただ、築年数に応じて、評価額が下がり、担保力も落ちるため、
物件の50~70%程度の融資しか受けられないです。
また、仲介手数料も考慮に入れる必要があります。
だいたい3%程度を見込んでおきましょう。
減価償却費も築年数に応じて計算されているため、税制上のメリットが少なくなっています。
また、修繕費、建て替え費用なども築年数に応じて必要になることが多いので、
あらかじめ、計算に入れておく必要があります。
戸建て投資とは
今まで、ワンルーム投資、アパート投資という不動産投資の王道ともいえる投資方法をご説明してきました。
ここでは、戸建て投資というものについて説明させていただきます。
戸建て投資もまた、文字通り、一戸建てを取得し、それを
貸し出すことによって収入を得る投資方法です。
戸建ての場合、単身者にというより、ファミリーのニーズが高いため、
流動性が低く、長く入居してくれることが期待できます。
ただ、借り手が出てしまって、次の借り手が見つかるまでは、収入ゼロになってしまいます。
そのリスクを軽減するためには、間取り、住宅が建っているエリアや周辺エリアなどを
しっかり確認しておくことが大切です。
間取りなどにもトレンドがありますから、最新式のものにするとやはり人気物件となりやすいです。
逆に、古びてくると、どうしても入居者がなかなか見つからず、空き家期間が長くなる恐れがあります。
戸建て投資のメリット
• 賃貸を想定していない取得価格のため、高リターンが期待できる。
• アパートのような管理費が不要。
• ファミリーなどの場合、入居期間が長いことが多く、安定した家賃収入が期待できる。
• 貸し出すことをやめて、自宅用として自らが使用することもできる。
戸建て投資のデメリット
• 建物+土地を取得するので、取得費用が高額。
• いったん空き家になると、次の借主がみつかるまで収入がゼロ。
• 貸し出す際にリフォーム費用が必要な場合もある。
貸し出すまでに、取得費用の他に、リフォーム費用も考えておく必要がある。
• 戸建てが建っているエリアや周辺環境によって、家賃が変動する。また、入居者層も変化する。
個性的な不動産投資方法
シェアハウス
最近、なにかと話題になることが多いシェアハウスですが、トレンディなドラマなどでも
取り上げられて、住居として、またはオフィスとして人気やニーズが高いです。
シェアハウスは、ハイリターンが期待できます。
1件の物件で、複数の借主と契約し、家賃が得られるわけですから、とても効率的です。
ただ、入居者間のトラブル対策や清掃など、管理のためのノウハウが必要になります。
管理会社に任せることは可能ですが、ワンルームなどの管理費などに比べると割高になります。
さらに、その場所の立地条件などとともに、インターネット環境など設備の充実の有無も、
家賃設定や人気に大きく影響するので、しっかり条件を見極めることが大切です。
民泊
民泊も、シェアハウス同様、トレンドワードの一つです。
それだけでなく、民泊は、不動産投資の中では、群を抜くハイリターンな投資先の一つです。
民泊については、ずっと好調なインバウンドだけでなく、国内の旅行者にも認知されてきて、大いに利用者が増えることが期待できます。
Airbnbについては、聞かれたことがあるでしょう。
ただ、民泊人気のあおりで、違法民泊が増え、近隣トラブルも急増したため、
2018年に民泊新法(住宅新法事業法)が施行され、届け出のない違法民泊は、
Airbnbに掲載されないことになりました。
同様に、管理組合も民泊を認めないと管理規約を改定して、民泊を締め出したところも出てきています。
国の方針は、法整備をきちんと行い、民泊、既存の宿泊施設との共存を図り、ますます伸びることが予想されるインバウンドの一つの柱にしようとしていますが、まだまだ不確定要素が否めず、ハイリスクハイリターンの側面があります。
そのあたりのことを認識したうえで、短期集中型で収益を上げている方もいます。
社会福祉施設
日本は、かつてないスピードで高齢化社会に向かっています。
高齢者に関する施設は、どこも「待ち」がいっぱいなので、施設の不足が続いていますから、
福祉施設へのニーズは高いです。
福祉施設と言っても、サービス付き高齢者住宅などでは、他の賃貸物件に比べると
退去などが少なく、流動性が低いので、空き室になることが
少ないですし、駅近などの便利さは、重視されません。
高齢者向け福祉施設へのニーズは高いとはいえ、エリアによっては林立しているエリアもありますし、
周辺のエリアとの共存が問われることもありますから、事前のリサーチはとても大切です。
エリアによっては、利用者が見つからない、空き室がなかなか埋まらない、売れないなどの
リスクも考慮に入れておく必要があります。
駐車場や駐輪場
不動産投資としての駐車場や駐輪場の最大のメリットは、初期投資が少なくて済むという点です。
あらかじめ、遊休土地を持っておられる場合は、始めやすい不動産投資の一つといえるでしょう。
万が一、思ったほどに利用者が増えなくても、損害を低く抑えることができる点もおすすめポイントです。
ただ、立地している場所、面している道路の幅、土地の形などによっては、
なかなか収益を上げることができない場合もあります。
しかし、駅前や観光地の近くなどの好立地の場合は、高収益が期待できます。
いろいろな時間貸しの駐車場のチェーンもあり、それを利用すれば、
集金や管理なども丸抱えでお任せできますから、不動産投資ビギナーさんでも、ハードルが低いです。
固定資産税の軽減税率不適用など、税制面の優遇が少ないというデメリットも考慮しておきましょう。
トランクルームなど
車で走っていると、空き土地にいつのまにか、トランクルームが
建っていることに気づいて驚いたという経験もおありではないでしょうか?
最近、あちこちにトランクルームなどのレンタル物置が建ち始めています。
日本では、これからの投資物件ですが、不動産投資先進国のアメリカでは、
もはやメジャーな投資先の一つです。
他の不動産投資に比べると初期投資も少なく、
管理費、修繕費、リフォーム代などもかかりません。
そのため、ハイリターンが期待できる投資先です。
今や、断捨離ブームで、家の中をすっきりさせたいというニーズがあふれていますが、
モノを捨てきれない人たちもたくさんいます。
その人たちにとって、トランクルームなどのレンタル物置は救世主です。
日本においては、トランクルームの市場はこれからという段階で、
飽和しているわけではないので、まさにブルーオーシャン状態です。
先行逃げ切りの投資先と言えるでしょう。
まとめ
不動産投資の種類について、ご説明しました。
不動産投資といえば、駐車場やアパートだけという発想ではなく、
不動産投資にもいろいろな種類があることをご理解いただけたと思います。
予算を含むあなたの条件に合った最適な投資先を
選択することによって、収益の最大化を図れます。
ぜひ、参考にしていただき、不動産投資先、投資方法の選択してください。